練り込みは色で染めた土で焼き上げた陶器です。
土に顔料を混ぜ込み一色ずつ色土を作り、重ねたり組み合わせたりしながら、模様を作っていきます。それを板状にしてコップやお皿に成形します。金太郎飴やのり巻きと似たような手法で作られています。両面に描かれた模様を楽しめる珍しい技法です。
愛知県瀬戸市の土と滋賀県信楽の土を使用しています。練り込みの土は顔料を含むので成分が変わり、成形途中や焼きの段階で歪みやひびが入りやすいのが特徴です。その為、粘りがあり収縮率の低いものを使用しています。また顔料の発色を良くするために、白くてきめの細かい土を選んでいます。
成形後は2週間かけてゆっくり自然乾燥させます。「素焼き」は800℃で24時間かけて焚きます。模様をはっきりさせるために紙やすりでけずり整え、釉薬をかけます。「本焼き」は1230~1250℃を48時間かけてゆっくり焚きます。
食器として使用する器を作るときは、透明の釉薬をかけます。練り込みの模様を鮮明にするため釉薬の濃度は薄めの30ボーメ前後です。釉薬をかけると表面に釉薬のガラス質が溶け出し、つるつるとした質感になります。吸水性が少なくなり食器として扱いやすくなります。お人形や置物の時は、釉薬をかけないで土の質感をそのまま表現することもあります。
土を着色するものです。。主成分は金属や鉱物で、粉状のものです。窯焚きの500℃前後で顔料の不純物は蒸発します。また体に安全なものを使用しています。たくさんの土に顔料を混ぜるのは一苦労です。乳鉢の中入れた顔料に少しずつ水をいれて液体状にします。最初は少量の土に混ぜ込みながら、色土を作っていきます。顔料と土の特色をふまえて5%、3%、1%など含む量を調節していきます。顔料は愛知県瀬戸市の顔料屋さんから取り寄せています。
練り込みの模様を土で積み上げていくときは、立体図形で考えていきます。その為、ミリ単位の原寸大設計図を書いています。設計図通りに成形していきますが、土は柔らかいため、模様のゆがみが出ることがあります。思わぬ景色ができるところが、また練り込み技術の面白いところです。
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